内閣府の消費動向調査によると、車の普及率は単身世帯で51.6%、2人以上世帯で80.6%にのぼり、若者の車離れが話題にはなるものの、多くの人にとって車が重要な移動手段であることには変わりはなさそうです。
「車に対する意識モデル」は、そんな多くの人が車を購入する際の意識に基づくユーザーモデルです。
調査対象者は、車の購入経験を持つ20代~60代の男女400サンプルとなっています。
「車に対する意識」を表出させるために35の設問を設計し、これらの設問群に対する回答結果を因子分析することで得られた8つの因子にそれぞれ因子名を付与したものが表となります。
この抽出された8つの因子に基づく因子得点を使って、快適性重視因子や環境配慮重視因子の度合いが強い「環境・快適性重視型」(CLUS-1)、移動の道具としてのわりきりが強くカーマニア度が弱い「移動のための足代わり型」(CLUS-2)、カーマニア度や自己顕示欲因子が強い「車そのものが大好き型」(CLUS-5)、逆にカーマニア度や自己顕示欲因子が低い「性能と費用バランス型」(CLUS-3)、ことさら安全性能や快適性を求めない「普通にこだわりない型」(CLUS-4)の5つのクラスタを導出しました。
この5つのクラスタそれぞれの因子に対する傾向性を解釈して特徴を整理した後、基本属性(性別・年代・地域・婚姻子供・職業・世帯年収)との関係性を抽出したものが下図となります。
「移動のための足代わり型」(CLUS-2)には女性・主婦が多く、「車そのものが大好き型」(CLUS-5)には男性・40代・会社員が多くみられるのは結構イメージ通りですね。
この「車に対する意識」のモデルを前提に、「対象者の所属するクラスタを判定」(5つの中のどのクラスタか)するための設問が表になります。
これら6つの設問に「1.全くそう思わない」から「5.とてもそう思う」(5件法)で回答が得られれば、判別的中率76.0%で所属クラスタを判定できます。
車を購入しようとしている人の「車に対する意識」を知ることで、その意識に適応した性能や価格の車を薦めたり、車における特定の性能や機能に共感を得やすい心理的な特性をもつ人を選んで営業活動を行うようなことに活用できそうです。