従来からパーソナリティを捉える手法として「類型論」と「特性論」という考え方があります。
ユーザーモデルでクラスタを作る場合にも大きく「類型論」的なクラスタ作りと「特性論」的なクラスタ作りの2通りがあると考えています。
「類型論」的なクラスタ作りは、共通して得られた“全て”の因子に対する傾向性を使って総合的に分類する方法で、全体としてどんな傾向にある人かが分かりやすく、クラスタ毎の総合的なプロファイルを活用することで、コミュニケーションをとっていく際の大きな方向性を探るのに便利です。
k-meansのような非階層的クラスタ法やデンドログラムによる階層的クラスタ法によるクラスタ作りがこれにあたります。
「特性論」的なクラスタ作りは、共通する“特定”の因子に対する傾向性を個別に使って分類する方法で、特定のことに対してどのような反応をする可能性のある人かが分かりやすく、特定の因子に対する傾向性を活用して特定のコミュニケーション目的に対して有効な人を探すのに便利です。
例えば、得られた共通因子の中から特定の2つの因子を選択して、選択した因子に対する個別の傾向性をネガティブとポジティブの2つのグループに分けるとすると、2×2で4つのクラスタができる、のような作り方がこれにあたります。
もちろん、ユーザーモデルでクラスタを作る場合、どちらにしても共通して得られた因子に基づく因子得点を使ってクラスタを作りますから、クラスタの特徴を定量的に把握することや該当のクラスタに所属するかどうかを予測できること等については同様ですので、活用イメージを想定しながら適切な方法でクラスタを作っていけば良いでしょう。