ユーザーモデルにおけるマッチングの考え方…

ユーザーモデルの活用には大きく3つの目的が考えられます。

  1. オファーの最適化:オファーをそれぞれの人に合わせて最適化するための活用
  2. ターゲティングの効率化:訴求したいオファーの特性(特徴)を受け入れてくれる原因や動機と親和性がある人を特定するために活用
  3. コミュニケーションの活性化:心理的な傾向性の近さに基づいてマッチングすることで、人と人の間のコミュニケーションを活性化するための活用

それでは、それぞれのユーザーモデルとオファーの間はどんな「値」に基づいてマッチングしていったら良いのでしょうか・・・

マッチングを考える際には、どのような「値」で類似性を測るかに応じて、大きく下記3つの方法が考えられます

  1. クラスタプロファイルマッチング
    対象となる人のクラスタ判定結果(所属クラスタ)に応じて、オファー(サービス・イベント等)をマッチングする方法です。全てのクラスタを固有に使う方法(n択)や、特定のクラスタかそうでないか(2択)を使う方法などが考えられます。
  2. 判別得点マッチング
    対象となる人のクラスタ判定や因子傾向性判定時に得られる判別得点(数列)を使って、その類似度に応じてオファー(サービス・イベント等)をマッチングする方法です。
  3. 因子プロファイルマッチング
    対象となる人と各因子の間の関係性に基づいて、オファー(サービス・イベント等)をマッチングする方法です。特定の因子に対するネガポジを個別に判定して使う方法や個別の因子得点を直接予測する方法、所属するクラスタ毎に得られる因子得点の平均値を使う方法などが考えられます。

ユーザーモデルを使ってマッチングを考える際には、マッチングされる被対象物(オファー)の準備とその特性を想定する必要があります。

被対象物(オファー)をクラスタの特性毎に準備することを想定するのであれば、対象者のクラスタを判定すれば充分ですが(クラスタプロファイルマッチング)、特定のクラスタに所属していて、かつ特定の因子に対する傾向性を使って被対象物(オファー)をマッチングするようなことを想定するのであれば、「クラスタプロファイルマッチング」と「因子プロファイルマッチング」を組み合わせて活用する必要があるでしょう。例えば、「消費行動傾向モデル」を使って、「何と言っても実用性重視派」(クラスタ2)の中でも、「消費意欲因子」(第5因子)に対する傾向が強い上位10%にだけオファーしよう…のような場合でしょうか。

また、被対象物(オファー)が、クラスタの特性に関わらず、特定の因子に対する傾向性にのみ基づいて準備する想定であれば、特定の因子に対するプロファイルのみが判定もしくは予測できれば充分でしょう。

いずれにしても、ユーザーモデルをどのように活用しようとするかによって、想定されるマッチング方法を検討する必要があります。

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