例えば、消費行動傾向で考えてみる
例えば、人が消費行動を取ろうとする際の傾向性(消費行動傾向)を例にして考えてみましょう。
人の「消費行動傾向」という”気持ち”の共通成分は9つあり、その共通成分の量の違いによって大きく4つのかたまりに分類できます。
この共通成分のことを「因子」、共通成分の成分量の似たかたまりのことを「クラスタ」と呼びます。
もちろん、単にじっと顔を見ていても、その人の「消費行動傾向」など判りませんから、その人の「消費行動傾向」をあぶりだすための刺激(設問)を準備して、その刺激にどのように反応(回答)したかを回収して、分析する必要があります。
「消費行動傾向に基づくモデル」は、78の設問を設計して、1500名の対象者(国勢調査統計データに基づいて性別・年代・地域で割り付けた20歳~60歳代の社会人)から回答を得て分析した結果です。
分析には、大きく2つの手法を使います。
①因子分析
回答に潜在的に影響を与えていると考えられる因子(共通成分)を抽出する
②クラスタ分析
共通する成分の量(因子得点)の近さでかたまりを作る
下表は、「消費行動傾向」をあぶりだすために準備した設問群に対する回答結果を因子分析することで得られた9つの因子(共通成分)にそれぞれ名前(因子名)を付けたものとなります。
この共通する成分の量の近さでかたまりを作るのがクラスタ分析で、それぞれの回答者の9つの共通する成分の持ち方に基づいてできたのが4つのクラスタ(かたまり)、ということになります。
少し言い方を変えると、共通する成分の持ち方がそれぞれ違うから、消費行動を取ろうとする際の傾向がそれぞれ異なる・・・というわけです。
各クラスタに所属する人(共通成分の持ち方の似ている人)の、各因子に対する特徴を見てみると、例えば、「何と言っても実用性重視派」(CLUS-2)と「こだわりのない成り行き派」(CLUS-3)では、第7因子(実用性や機能性を重視する傾向の強さ)・第6因子(人の意見や情報に影響を受ける傾向の強さ)でその差が大きく、また、第2因子(自分らしさを重視する傾向の強さ)については、差はほとんど見られない、のように解釈することができます。
「消費行動傾向に基づく4つのクラスタ」の図の中で表現されている各クラスタの特徴は、このように、各因子に対する傾向性をクラスタ毎に読み解いたものです。
スタンダードモデルとその構造
「消費行動傾向」のほか、衣・食・住に対する意識や仕事・お金・健康・保険・旅行に対する考え方等、一般的な生活体験の中でよくありそうな場面を想定してまとめた下記13のユーザーモデルを「スタンダードモデル」と呼んでいます。
※各ユーザーモデルをもう少し具体的に…は、それぞれの[ユーザーモデル名]からどうぞ。
まとめると、13の「スタンダードモデル」はそれぞれ図のような構造になっています。
「因子」が共通成分の数を、「クラスタ」が共通成分の成分量の似たかたまりの数を表しています。