企業内での購買行動は、日常生活の中で行う購買行動とは異なります。
企業の予算で購入する以上、企業内で自分が使用する製品であっても、必ずしも自分が好ましいと思う製品を購入できるとは限りませんし、企業内での購買行為には様々なルールがあります。
「自分はこのソフトの方が良いと思ったけど、今までの取り引き関係で別のソフトが導入されてしまった…」
「去年と同じ製品を同じ価格で購入しようとしたら、もっと良い製品がないかどうかもっと検討しろ、と差し戻されて結構面倒なことになった…」
…なんてこと良くありますよね。
企業内で使用するための何らかの対象に対する購買を想定したユーザーモデルを構築する場合には、「組織が個人の組織的な購買行動に影響を与える要因」を組み込む必要があるでしょう。
「組織購買に影響する要因」(Webster&Wind)や「組織文化尺度」(Cameron&Quinn)等を参考に「組織が個人の組織的な購買行動に影響を与える要因」で大きく分類してみると…
・ベンダーとの取引に際しては、QCDが充分に検討され、理由が明確であれば、手続きに時間がかかっても、購買先の変更や積極的な購買プロセスの改善が奨励される「積極的購買改革型」
・ベンダーとの取引に際しては、QCDが近似していれば、ブランドイメージ・企業規模や安定的な従来取引が重視される「安定取引重視型」
・ベンダーとの取引に際しては、時に選定結果が明確にされないこともあり、声の大きな人の影響や営業の人柄等で決まってしまうこともままある「購買活動未成熟型」
…などが考えられます。
企業内での購買行動であっても、企業内個人の対象に対する意識や考え方を知ることが最も大切なことであることはもちろん言うまでもありませんが、企業内での購買行動であるからこそ発生する影響要因を組み合わせて考えていくことも大切です。